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ココロゴコロ_10

(Tue)

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いつのクリスマスだったか、ひとつ歌を教えてもらった。
「心ごころ」
はじめて出会う言葉だった。
素敵だなって思ったんだ。
さっき届いた手紙は、なんだかふっくらしていた。
あけるとふんわりとした草木の匂い。
南阿蘇のハーブティーが入っていた。
微笑ませてくれる瞬間をいくつもらっただろう。
コとロで出来た素敵な言葉のような、草木の匂いがするような、
贈り物をできたらいいね。
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ココロゴコロ_09

(Tue)

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「ミーナとニーナが森でみつけたもの」

山ぶどう、栗、、赤い実、きのこ……
ミーナとニーナは森の中で、切り株に並べられた木の実やきのこを見つけた。

何かしら?

ごちそうのならんだテーブルみたい。

りすのおままごと?

私だったら、この水玉のハンカチをテーブルクロスにするわ。

私だったら、落ち葉の絨毯をひくわ。

どしどしがさがさ

森の奥から何かがやってくる音に、ミーナとニーナはあわてて茂みに隠れた。




大きなくまがあらわれて、思わず叫びそうになるミーナの口をニーナはあわてておさえた。

シー

くまは口にくわえた来た木の実を切り株に置いた。
どすんと腰をおろして、手を合わせる。
コクリとちいさなおじぎをした。

もしかして、いただきます?

落ちてた四角い石を持つと、手を大きく振り上げた。

ミーナとニーナは顔を見合わせて、石を拾うと、茂みから出てくまの隣に座った。
そして、くまの持ってる石と自分の持ってる石をあてて、コツンと音をたてた。

かんぱーい


くまさん。私たち、おままごとは得意なの。


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ココロゴコロ_08

(Tue)

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「アコーディオンが好き」

ある気持ちのいい春の日に公園で音楽を聴いた。
音は若草色の風になって、木漏れ日になって、池の水面になった。
子供が騒ぎ、犬が吠え、家族はレジャーシートの上でお弁当を食べる。
亀がひなたぼっこする。
池のコイは口をパクパクしっぱなし。
なんて素敵な音楽があるんだろうって思った。
その時は忘れてしまっていたけれど、もっとずっと前に外で聴いた音楽の記憶がある。

本当に小さな頃、園舎のない幼稚園に通っていた。
その日によって、山や川や荒れ地、色んな場所へバスで行った。
入園式や学芸会、運動会や卒園式みたいな特別な日は川原だった。
川原に浮かべた筏が舞台だった。
特別な日とそうじゃない日の時々に、
先生たちは赤や青や黄色のつなぎを着て、
オルガンやギターやアコーディオン、コントラバスやタンバリンで演奏してくれた。
アコーディオンを弾いてた先生は、身体の大きな男の先生で、私は少し怖かった。
だけど、その先生はみかんが怖くて、
みかんを見せると「こわい、こわい」とパクリと一口で食べた。
「見るのがこわいから食べるんだ」って言った。
私たちはそれが楽しくて、お弁当にみかんが入ってると、先生に見せた。
先生は「こわい、こわい」とパクリと食べる。
私たちはしきりに笑った。
少し怖いけど、先生のそばでお弁当を食べたかったんだ。
いつも誰かがみかんを持ってやってくるから。

ココロゴコロ_07

(Tue)

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「ぼくがNo.1」

走るよりも歩くよりも前に踊りだした。
脚が短くたって、お腹出てたって、頭重くたって、
踊り出せば、ぼくがNo.1だ。
大人たちはみんな、ぼくのダンスに夢中だ。
あっという間に拍手と笑いの渦さ。
だから、踊ってあげるんだ。
でも努力だって欠かさない。
今朝だって大きくなるために牛乳飲んだ。

ココロゴコロ_06

(Tue)

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「写真」

水たまりに雨が落ち、波紋をつくる瞬間を撮りたくて、何度も写真を撮り失敗した。
雨が降るというのは、繰り返しあること。
雨粒は無数、あらゆる場所に落ちる。
それは変わらないはずなのに、
今まで知っていた雨と、一粒の一瞬を待ち続けていた時の雨は、
全く違う美しさのものに思えた。
“一瞬を待つ”というのは、繊細で美しい時間なのだと知った。
ふと思い出す。ある人が一枚の写真を撮った瞬間のこと。
何かを待ち、写し、さっと去って行った。
なぜだか、息が止まるような感動と震えで胸がいっぱいになった。
後になって見た写真は、見たことのない世界のものだった。
私が見た花は、踊ってはいなかったんだ。

ココロゴコロ_05

(Tue)

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「つむじ風」

かわいいあの娘は、地面にくるんと輪を描く風を見ていたよ。
僕らだって作れるさ。
ねぇねぇ見てよ。
輪が描けたでしょ。
ほら、僕らを見てよ。
ねぇってば。
僕を見てよ。
僕の方だって。
僕だよ。
僕だって。

僕だよ。

ちがう、僕だって。

僕!

僕さ!

ココロゴコロ_04

(Tue)

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「ロンドンデリーの歌」

馬がいて、牛がいて、羊がいて、ヤギがいる。丘がいくつもあって、家は錆びたオレジン色をしているの。


あのこはある美しい歌を、風景に例えて話した。
僕はそれを絵に描いた。


こんなかんじ?

あ、そうだった。それでね、みんなダンスをしているの。

もう、先に言ってくれなく
ちゃ。


じゃあ、こう?


ふふふ、雲きれい。

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ココロゴコロ_03

(Tue)

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「鳥になった」

僕は今日、はじめて空を飛んだ。
妹が教えてくれた、手のひらに「人、人、人」って3回書くおまじない。
緊張しなくなるらしい。
深呼吸をしろ。しきりに言われる。
踏み出す瞬間はとても怖くて、一瞬落ちそうになったけど、
「上を見ろ!」という声に再び上昇する。
景色がどうだったか、だって?
きれいだったに決まってる。
燃えるような紅葉。
自然に生まれた紅葉する木々の色の配置は、
世界で一番きれいなんじゃないだろうか?
そう、夢中だったよ。
ねぇ、僕は風になったんだ。鳥になったんだ。

ココロゴコロ_02

(Tue)

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「かくれんぼ」

その中に駆け込むと、目の中が華やいだ。
赤、黄、橙。
走る、隠れる場所を探す。走る。
どこに隠れても、色に埋もれる。
ざわっと、鳥たちが飛び立つ。
思わず足を止めて、空をあおいだ時、オニの大きな声がする。

もういいかい?

走る。
どこいっても、まぶしいんだから、

もういいよ。

ココロゴコロ_01

(Tue)

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「森の声」

草原のおくに深い森があるんだ。
とてもくらい森。
こわくて入れないんだけど、「入っちゃいけません」と
ママもパパも先生もとなりのおばあさんも、
魔女も見知らぬおじさんもくまのぬいぐるみもいうもんだから、
ちょっとのぞいてみたの。
何があったと思う?あのね、みんなの声があったの。
草原で遊ぶ、あの子の声も、この子のあっちの子を呼ぶ声も、
風と歌う声も花占いをしてるささやきも、
全部あったの。

とても嬉しいこと

(Fri)

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先日の展示で置いた一冊「ちいさなものがたりをしましょう」を
気に入ってくださった方がたくさんいた
おととしに
長野県松本市の雑貨屋さんで個展をさせてもらった時に
作った絵本
ちいさな物語が12編入ってる

この絵本を作ったころ
友達の結婚パーティーがあって
ウェルカムボードを描かせてもらった
月の下にいる二人の絵
金の薔薇の額縁も彫って作った
音楽をしている二人だから
青山の「月見ル君想フ」というライブハウスが会場だった
披露してくれた歌はとてもとても素敵だった

「ちいさなものがたりをしましょう」の中には
その感動をもとにして作ったお話がある
ウェルカムボードの続きのようなお話
二人にプレゼントしようと思いながら
私はすっかり忘れていたんだけど


展示がはじまったころ
夫婦で見に来てくれた

平日のお昼だったから休憩時間に行きたいなって思いつつ
仕事が忙しい時で会いにいけなくて残念だった


ソファの席で二人並んで読んでいた時に
そのお話を見つけて
「うわぁ」ってなったんだって


後日、奥さんだけもう一度来てくれて
それを話してくれた

そして今でもあのときのウェルカムボードを
飾ってると話してくれた


体調崩してしまって遅くなったけど
プレゼントする約束をした絵本をやっと今作っているところ



自分の作ったものへの愛着ってそんなにないんだけど
こうやって
読んでくれた人を通して
大切なものになっていくんだなって思った

読んでくれた人たちに感謝

DADACAFEにて「ココロゴコロ」展、終了しました

(Mon)

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お越しくださった方、
ノートにお名前やメッセージや落書きを残してくれた方、
感想をメールや直接伝えてくれた方、
お土産を持って来てくれた方、
遠くから応援してくれた方、

本当に嬉しかった

2度3度、繰り返し来てくれたり。
絵本をゆっくり読んでくれたり。
意外な方が来てくれたり。

一緒にご飯できたり、お茶できたり。

会えなかった友達もいて本当に残念。
そして、写真撮るのすっかり忘れててとても残念。

とっても惹かれたカフェで展示が出来てとても幸せだった

繰り返し通ったけれど
やっぱり好きな場所だった
雰囲気も
お料理も
デザートも
お店のスタッフさんたちも
来るお客さんたちも

私はここの「夜ごはん」がとても好き


この写真は今回の為に作った冊子

時々とても混んでるカフェなので
飾った絵を手元でも楽しめるように


全部に感謝
ありがとうございました

お知らせ:絵本とイラストレーション展「ココロゴコロ」

(Sun)

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絵本とイラストレーションの展示「ココロゴコロ」

古い民家をカフェにした場所「DADACAFE」さん
季節や天気や風が入り込んでくるような空間をとても素敵だなっと思って
展示をさせてもらうことになりました

こころごころに過ごしながら
知ってる人、知らない人...
同じ場所と時間を共有できる.....この場所ならそんな展示が出来るかなって


この場所に何が似合うだろうとイメージしたのは森

だから沢山の木を飾りたいと思います
そして森の中で、お食事し、お茶をして、絵本を読むような雰囲気になったらいいな

是非こころごろろに過ごしに来てください



長光雅世 絵本とイラストレーション展「ココロゴコロ」

2012.10.2(tue)〜2012.10.14(sun)
日〜木 12:00~22:00(LO 21:00)
金・土 12:00~22:30(LO 21:30)

DADACAFE
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-23-10
tel 03-3350-2245
http://www.religare.biz

※カフェ内での展示になります。ご来場の際は、飲食の注文をお願いいたします。


JR代々木駅東口より徒歩2分
新宿高島屋から徒歩5分



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展示☆

(Wed)

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展示はじまりました
DADACAFEはやっぱりとても素敵な場所
お店の方々もいい雰囲気を持った方々で
お話するといつもゆったりとした気持ちになれます

絵を飾ったあと
やっとほっとして
仕事中に
ふと嬉しい気持ちいっぱいになっていました

カフェの展示なので
席そばの絵しかよく見れないかと思って
展示してる絵を何点かと
それに言葉をそえた簡単な本も置いてあります
苦手なレイアウトと慌てて書いた言葉は恥ずかしい気もするけれど
良かったら開いて見て下さいね
●絵と小さなお話の本「ココロゴコロ」
緑色の四角い本です