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ココロゴコロ_08

(Tue)

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「アコーディオンが好き」

ある気持ちのいい春の日に公園で音楽を聴いた。
音は若草色の風になって、木漏れ日になって、池の水面になった。
子供が騒ぎ、犬が吠え、家族はレジャーシートの上でお弁当を食べる。
亀がひなたぼっこする。
池のコイは口をパクパクしっぱなし。
なんて素敵な音楽があるんだろうって思った。
その時は忘れてしまっていたけれど、もっとずっと前に外で聴いた音楽の記憶がある。

本当に小さな頃、園舎のない幼稚園に通っていた。
その日によって、山や川や荒れ地、色んな場所へバスで行った。
入園式や学芸会、運動会や卒園式みたいな特別な日は川原だった。
川原に浮かべた筏が舞台だった。
特別な日とそうじゃない日の時々に、
先生たちは赤や青や黄色のつなぎを着て、
オルガンやギターやアコーディオン、コントラバスやタンバリンで演奏してくれた。
アコーディオンを弾いてた先生は、身体の大きな男の先生で、私は少し怖かった。
だけど、その先生はみかんが怖くて、
みかんを見せると「こわい、こわい」とパクリと一口で食べた。
「見るのがこわいから食べるんだ」って言った。
私たちはそれが楽しくて、お弁当にみかんが入ってると、先生に見せた。
先生は「こわい、こわい」とパクリと食べる。
私たちはしきりに笑った。
少し怖いけど、先生のそばでお弁当を食べたかったんだ。
いつも誰かがみかんを持ってやってくるから。
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